ぷれぜんつ 


その3  牛足





ごらんの皆さんは、「牛足」と聞いて何を想像するだろう。




豚足みたいな食べ物?


彫刻なんかの置物?


あるいは東洋の古道具の名を連想されるだろうか。








では、現物をご覧いただこう。






名は体を表す。


てゆうか、コレ何?

何で直球で


何に使うの一体?









手元の方のアップ。





え?ビン?






・・・・・・水筒かよ!





ありていに言ってしまえば「ワインの瓶に牛の皮と蹄を貼り付けて

手提げ紐をくくりつけた」だけのもの。


ヒンズー教徒に見られたら宗教裁判ものの一品。





そして、ビジュアル重視のグッズであるが故に、
水筒として無数の欠陥を隠し持っている。










1.立たない



先に蹄が張り付いてるせいで、水平を保つことができない。



常に持ち歩くことを前提とした


少林寺のトレーニンググッズ
みたいな水筒である。






2.フタがない


水筒としてはかなり致命的。

プレゼントしていった後輩はそこらにある酒瓶のフタをてきとーに

くっつけてよこしたが、ゆるゆるだったため持って帰ってくる間にどっか行った。


一時研究室からガメてきた試験管用ゴム栓がハマってたこともあるが、

それもいつのまにかどっかに消えた。




おろらく「こんなもので水を飲んではいけない」という

神のお告げであると思われ、以後そのまま放置。





3.毛が抜ける



皮のなめし方が下手なのか、表面の毛がバリバリ抜ける。

特に冬。空気が乾燥してるせい?




どのくらい抜けるかってーと、とある冬の日、こいつが


つるしてある柱の下にちょっとした
毛の山ができてたくらい。



※最近はピークを過ぎたのか、ほとんど抜けなくなってきた。







4.重い


長期の保存に耐えるため分厚く作られたワインの瓶に、にかわか何かでムリヤリ

毛皮と蹄を貼り付けたこいつが重くないはずがない。


つうか水入れる前から1kg近くある水筒ってどうなの?




ホントにトレーニング用品なんじゃねーだろな、コレ。








ちなみにこいつは畜産学科出身である筆者にアメリカ土産として渡されたもの。




<その時の会話>

「はい、コレ(楽しくてしょうがないとでもいった風に)」



「うわ、いらねえ!

どこで買ってきたんだこんなもん」



「サンフランシスコのメキシコ人で。」




・・・それは厳密にはアメリカ土産ですら無いのでは?

 

 

総合評価

いらない度

★★★

アホ度

★★★★

<寸評>

 ビジュアル的に面白いので俺以外の人には好評。
 学生時代は研究室の机にぶら下げてあったので、後輩どもが

「いーなーコレ」「うらやましいです」などとほざいていたが、
「そんならやるよ、ホレ」と差し出したとたん、引きつった笑顔で
首を左右に振り、以後二度と言わなくなった。
 「他人から見ていいモノ」「見た目が変わってておもしろいもの」なんていうのは所詮そんなものである。